澤雪絵氏・廣澤れいこ氏　テーマ:演芸文化を取り戻そう　ページ3

建築と浪曲が似てる！？

洋一郎：話をちょっと前に戻すと・・・建築の世界から話術の世界に行くって、勇気が要ることだったんでしょうけれど、考えてみればどちらも「基礎」が大切ですよね？
澤：はい(笑)
洋一郎：傍目には全く遠い世界のようですけど、建築士から“言葉の建築士”である浪曲師へと転身。案外近かったのかもしれませんね。。。
一同：(笑)
澤：どちらも感性で作り上げるものですからね。浪曲はオトで建築はモノですけれど“今の時代に合ったものを作る”というところは同じですね。
石岡：ちなみに、私は機械設計の専門家でもあるんですよね。
一同：お～っ！
澤：だから車を直したり、作っちゃったりしてらっしゃるんですね！
石岡：はい。
洋一郎：ミュージシャンなのに車の組み立てできちゃうって、頭ん中どうなってるのっ？っ聞ききたくなるな(笑)“車も作れるミュージシャン”て結構インパクト大だよ。
一同：(笑)
石岡：それはさておき。建築と話術、確かに近いものがあるかもしれないですね。設計と言うと、理系で「1か0か」みたいなカチカチしたイメージがありますけど、意外と感覚的でもあったりしますから。
洋一郎：そっか～。逆に感覚的なイメージが強い音楽だけど、楽譜の基本情報は音の高さと長さであって、グラフそのもの。音が1オクターブ高くなると周波数が倍になるとか。自然とそういうのが身についてるもんね。感覚だけでは音楽は生まれないし、表現にならないもんね～。

浦安の演芸文化

洋一郎：ところで澤さん、浦安に演芸場があったのをご存知ですか？
澤：三波春夫さんの本を読んで知ってます！
洋一郎：えっ！三波さん、浦安に来てたんですか！！！
澤：はい。浪曲の登竜門的な場所だったようですね。
洋＆石岡：へ～。
澤：昔はベルじゃなくて笛のピーという音を合図に舞台に出ていったそうなんですね。
石岡：笛。時代を表していますね。
澤：舞台に出ていくと普通、お客さんの顔が並んでいますよね？
洋＆石岡：はい。
澤：ところが浦安の演芸場は下駄ばかり。下駄の歯が舞台に向いていたんですって。
洋一郎：ん！？
石岡：お客さんが舞台に足を向けて寝ていたってことですよね。
澤：「お～、やってみな！」という状況なんでしょうね。
洋一郎：小野ヤスシさん(※2)から僕、聞いたことあるんだけど、浦安の演芸場は凄いところだったらしいよ。つまんないことやったら何が飛んでくるか分からないくらい、芸にうるさい、目の肥えたお客が一杯いたところだって。
澤：なるほど～。
洋一郎：さっき調べたんですけどね。浦安にあった演芸場「浦安亭」は明治43年に建てられた千葉県認可第1号の寄席小屋で、2階建てで畳敷き、定員350名の規模だったんですって！
澤：おっきいですね！
石岡：すごい！
洋一郎：350入るって、結構大きいハコだよね～。
澤：木馬亭より大きい！！！

Uスタで演芸文化を盛り上げよう

洋一郎：ということは、浦安にはドジョウがあるってことですよ。柳川のドジョウじゃなくて、土の土壌ですよ！
一同：(笑)
石岡：み～んな分かってます(笑)
洋一郎：かつて浦安に浪曲師をはじめ、数多のエンターテイナーが訪れていた。そして上演する場所、楽しむ人がいて、演芸文化が生活に溶け込んでいた。だったら、それを取り戻すことが出来るのは、今でしょう！
澤：それを私やりたいと思っているんです！皆を引っぱっていきたいです！
洋一郎：・・・そのためにUスタがあるのです！
一同：(笑)
石岡：この間、澤さんは堀江の路風舎(※3)で浪曲の勉強会をやられましたね。ぜひ浦安の演芸文化の輪を広げていただきたいです。
洋一郎：そうだね。澤さんの明るいパワーで盛り上げてもらいたいです。ぜひ近い将来、ステージをご一緒させてください！
澤：はい！よろしくお願いします！！！
石岡：澤さん、廣澤さん、お忙しいところありがとうございました！
澤＆廣＆洋一郎：ありがとうございました！

※1 澤孝子・・・千葉県銚子市出身の浪曲師。1974年、第1回NHK浪曲新人コンクール最優秀賞受賞。1982年、文化庁芸術祭優秀賞受賞。第17代日本浪曲協会会長。
※2 小野ヤスシ・・・「ザ・ドリフターズ」初期メンバー、のちに「ドンキーカルテット」結成。タレント、俳優、ミュージシャンとして活躍した芸能人。2012年没。
※3 路風舎・・・浦安市堀江のギャラリー「どんぐりころころ」プロデュースのイベントスペース。古民家をリフォームしている。展示・演劇・音楽ライブなど、幅広い活用が可能。

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