柘植真司氏 テーマ:テーマパークダンサーの軌跡 ページ2

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あのステージに立つまでは

写真:対談のようす1

柘植:合格して良かったものの、入ってからが大変でした。周りは踊れる人ばっかりでしたから。
洋一郎:それはいつのことですか?
柘植:確か1983年。開園する直前でしたね。
石岡:(テーマパークが)一生懸命に集めていたときですね。
柘植:そのころは男性ダンサーがすごく少なかったんです。だから「えっ?あなたダンサー?」みたいな人もいて。その中の一人が僕でした。
洋&石:(笑)
洋一郎:信じられない!
柘植:みんな経歴で「ダンスは○年やってます。」という人ばかり。オープンする随分前からレッスン受けて踊れるようになっているわけです。でも人が足りなかったんでしょうね。それで話が事務所に来てオーディションに応募されちゃったんでしょう。勝手に。
洋&石:(笑)
洋一郎:でも正直、ダンスが上手いだけじゃダメなんじゃないですか?それ以外の魅力、柘植さんはルックスもすごく良いから。
柘植:いやいやいや!
洋一郎:ルックスって大事ですよね?例えば、王子様役やるのに僕みたいな中肉中背では困るわけですよね?先方も。
柘植&石:(爆笑)
洋一郎:ダンスが踊れないのにオーディションに合格してしまった柘植さん、それからどうしたんですか?
柘植:役を取っていかないといけないんですね。
洋一郎:役を取る?
柘植:ショーごとにオーディションがあるので、それを受けるわけです。ある日、園内で見た、とあるショーがとてもかっこよくて「うわっ!このステージに立ちたい!」と思ったんです。それから猛練習を始めました。
洋&石:それから猛練習(笑)
柘植:もう遅いって状況だったんですよね(笑)
洋一郎:ダンサーのオーディションに合格してからダンスレッスンを始めるって、普通と順序が逆ですよね(笑)
柘植:元々ダンスは長くやるつもりはなかったんですが、そこでスイッチが入って、あのステージに立つまではやめないぞと決めました。
石岡:目標ができたと?
柘植:目標というか…。何としても絶対あのステージに立ちたい。それだけでした。
洋一郎:ガラッと運命が変わった瞬間ですね。

そして夢をつかむ

写真:対談のようす2

洋一郎:目指すステージが見つかったわけですけど、何をすることになるんですか?
柘植:今もお世話になっているテーマパーク内の振り付けの先生や外部の先生を紹介してもらったりしてレッスンを受けました。
洋一郎:最初は何をやるんですか?柔軟?
柘植:ストレッチもやりますよ(笑)基本の動きをしっかりやって、それをひらすら続けるんです。
洋&石:は~。
柘植:一つ二つとできるようになると、パズルを組み合わせるように振り付けを覚えていくわけです。
洋一郎:なるほど~。それで念願のステージには立つことができたんですか?
柘植:はい。そこでやめればいいのにね(笑)
洋&石:(笑)
石岡:うれしかったでしょう!
柘植:それはもう。うれしかったです。人気のステージだったので、ショーが始まるとすごい人垣ができていました。
洋一郎:ファンがたくさんできてキャーキャー言われたんじゃないですか?
柘植:それは、あの衣装を着ると誰でも言われちゃうんですよ(笑)
洋一郎:え~。そうですかね~。辛いことや嫌なことはなかったんですか?
柘植:なかったですね!ダンサー同士、お互い良い雰囲気で切磋琢磨していましたし、憧れのステージ立っていることが何よりの励みでした。

テーマパークダンサーを辞めるとき

写真:対談のようす3

洋一郎:テーマパークダンサーは何年続けられたんですか?
柘植:23年です。
洋一郎:お~!
石岡:すごいですね。その間はテーマパーク以外のダンスのお仕事もされたんですか。
柘植:そうですね。そういう機会が増えていきました。
石岡:そういう方々はどんな仕事をされるんですか?
柘植:ダンサーとしてテレビやイベントに出演したり、ミュージカルに出演したり、振付師になったりと色々あります。
洋一郎:ところでテーマパークダンサーを職業として続けて、心境はいかがでしたか?
柘植:居心地が良い環境で、大勢の人の前で踊ることができて幸せでしたね。好きなことをやって生活ができるって、なかなかできることではありませんから。
石岡:そんなテーマパークダンサーとしての生活を、23年でどうして、どうやって区切りをつけたんですか?
柘植:40代前半で辞めました。まだ踊ることができたんですが、どんどん(年齢が)下の子たちが入ってくるわけです。20歳くらいの子と踊るんですよ。
洋一郎:でも、(40代に)見えなきゃいいじゃないですか!
柘植:(笑)。きついですよ。同じような役で同じ衣装を着るんですから。片や20歳、片や40代ですよ!
洋一郎:柘植さんは若いから、違和感ないですよ!
柘植:正直、踊りは負ける気はしてなかったんです。ただ、精神的にというか(笑)
洋&石:(笑)
柘植:自分が18歳で入ったとき、30代のダンサーを見て、あそこまではやりたくないなと思っていたのに40代ですよ。これはここにいちゃマズいでしょ!と思ったんです。
洋一郎:オペラに出演するソプラノ歌手は40だろうが50だろうが、お構いなしに“うら若き娘役”やりますけどね!
柘植&石:(爆笑)
石岡:実際、どうやって辞めたんですか?
柘植:オーディションを受けて合格すると、また一年と続けることになるので、その年はオーディションを受けなかったんですね。
石岡:そうやって一区切りをつけたということですね。
柘植:実はその時人が足りなくて、半年続けることになっちゃったんです。
洋一郎:めちゃめちゃ請われてるんじゃないですか!(笑)
柘植:運が良かったんでしょうね。辞めた後、することが決まってなかったのでやりました(笑)

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